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『往復書簡 初恋と不倫』(坂元裕二)感想

これも、夜寝る前に少しずつ読み進めていて、本日、読了した。

『往復書簡 初恋と不倫』(坂元 裕二)



「初恋」をテーマとした1編「不帰〔かえらず〕の初恋、海老名SA」と、「不倫」をテーマとした1編「カラシニコフ不倫海峡」の、合わせて2編で構成されている。

そもそも、これを読みたいと思った理由の一つは、著者が、最近では「カルテット」、少し前では「Mother」など、心に残るドラマ作品を数多く手掛けてきた脚本家だからだ。
ああ、あの数々のドラマ脚本家の小説作品か、それならぜひ読んでみたい、というのが動機。

それもあってか、登場する男女の、特に女性のほうは、どうしても「満島ひかり」のイメージになりがちだった。
「初恋」のほうの1編は、男性は瑛太のイメージ。
「不倫」のほうの男性は、もう少し年上の、そう、浅野忠信みたいなイメージだろうか。

初恋のほうの1編は、悲しみに彩られてはいるけれども透明感があり、美しかった。
不倫のほうの1編は、同じく悲しみに彩られながらも、より陰惨で、沈鬱で、やりきれない感覚が残った。

それでも、生きてゆく」や、「Woman」や、「カルテット」や、著者の手掛けたドラマ作品をさまざまに髣髴とさせるくだりが多々あり、ファンにとっては堪能できる一冊になっているのかもしれない。
個人的な感想を言えば、少々食傷気味の気分だ。
「この人の世界観に、これ以上はもうあまり深入りしたくないな」という気持ちになった。
この人の描きたいものは、絶望の中に最後の最後に残された一筋の希望、なのかもしれない。
しかし、「絶望」の部分が深すぎて、ややつらい。
もちろん、現実的に起こりうる絶望ではあるのだけれども、それにしても少しつらい、かもしれない。
あまり心を揺さぶられすぎないように向き合いたい作品だった。







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