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『往復書簡 初恋と不倫』(坂元裕二)感想

これも、夜寝る前に少しずつ読み進めていて、本日、読了した。

『往復書簡 初恋と不倫』(坂元 裕二)



「初恋」をテーマとした1編「不帰〔かえらず〕の初恋、海老名SA」と、「不倫」をテーマとした1編「カラシニコフ不倫海峡」の、合わせて2編で構成されている。

そもそも、これを読みたいと思った理由の一つは、著者が、最近では「カルテット」、少し前では「Mother」など、心に残るドラマ作品を数多く手掛けてきた脚本家だからだ。
ああ、あの数々のドラマ脚本家の小説作品か、それならぜひ読んでみたい、というのが動機。

それもあってか、登場する男女の、特に女性のほうは、どうしても「満島ひかり」のイメージになりがちだった。
「初恋」のほうの1編は、男性は瑛太のイメージ。
「不倫」のほうの男性は、もう少し年上の、そう、浅野忠信みたいなイメージだろうか。

初恋のほうの1編は、悲しみに彩られてはいるけれども透明感があり、美しかった。
不倫のほうの1編は、同じく悲しみに彩られながらも、より陰惨で、沈鬱で、やりきれない感覚が残った。

それでも、生きてゆく」や、「Woman」や、「カルテット」や、著者の手掛けたドラマ作品をさまざまに髣髴とさせるくだりが多々あり、ファンにとっては堪能できる一冊になっているのかもしれない。
個人的な感想を言えば、少々食傷気味の気分だ。
「この人の世界観に、これ以上はもうあまり深入りしたくないな」という気持ちになった。
この人の描きたいものは、絶望の中に最後の最後に残された一筋の希望、なのかもしれない。
しかし、「絶望」の部分が深すぎて、ややつらい。
もちろん、現実的に起こりうる絶望ではあるのだけれども、それにしても少しつらい、かもしれない。
あまり心を揺さぶられすぎないように向き合いたい作品だった。







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テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

素人に優しい若い噺家たち――「柳家小三治 一門会」(於・よみうりホール)感想

昼間、携帯(スマホ)から開演直前にチョロッと書いた、「なぜか落語なう」の件について、詳細を述べる。

落語1

友人から譲られたチケットを片手に、約25年ぶりの生の落語を聞きに、よみうりホールへ出かけた。
会場は満員御礼の状態で、中には和服姿の人も、ちらほら見受けられる。
年配の人が多いことは多いが、若い人も少なくない。
落語が、年代を問わず男女を問わず、こんなに人気だとは認識していなかった。
テレビやネット動画やDVDなどがいくらでも観られる昨今、こうしてわざわざ生の舞台を観に来る人が数多くいるというのは、何か心強いと言ったら変だが、好もしいものを感じた。

さて、内容について。

落語2

「元犬」と「かぼちゃ屋」がたいへんに面白かった。
あとの二つは、少し、時間を長く感じてしまった。
間合いを取りながらゆっくりと進んでいくのが、せっかちな現代人としてはまだるっこしく、没入できなかった。
若い噺家が、時事ネタを取り入れながらテンポよく進めてくれると、ついていけるのだが、通好みの名人芸には、気持ちがついていかない、そんな未熟で素人な観客だった。
柳家三三(さんざ)、柳家三之助の若い二人を、これから贔屓(ひいき)にしようと思う。



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